野積村誌にみる八尾スピリッツ
<まえがき>
はじめに
八尾町は、昭和の時代に2回にわたる町村合併──昭和32年には、中山間地;野積(のづみ)村、仁歩(にんぶ)村、大長谷村を合併──で、1町8ヵ村の広大な行政区域となりました。その後、平成になってから富山市と合併しました。
野積村誌は、昭和8年に刊行されたものですが、その文体や内容が、とても格調が高いことに感心します。私の、そんな驚きと感動を、野積地区や八尾の人々の”スピリッツ”として、次世代にもぜひ伝えていきたいと思いました。本文からのエッセンスの抜粋ですが、これから数回に分けて、掲載していきます。 〈IT寅さん〉

巻頭言
豊かな郷土の香りは過去の歴史を思はせます。冷静な郷土の姿は私達に宇宙の使命を黙示しているではありませんか、それで私達は如何にしてこの野積村を発展さすべきかと考へています。
野積村--------それこそまさしく自然の姿であります。重い沈黙の中に一切の哲学的思考を含むでいる我が野積村こそは、永遠に私達を育む揺籃(ゆりかご)であり母なのであります。
私達は、往々に海に入って海を見ず、又郷土にあって郷土を知らない場合が多いのであります。
唯郷土の山川草木をのみ慕って、真に郷土そのものを理解しようとせず、郷土を愛しやうとしないのであります。
彼(か)のカール・リッテルが 「如何なる郷土にも、全地球を学ぶに必要な総ての材料がある」 と言いました様に、
人は皆この郷土の懐に育てられ、郷土の内に成長するのでありますからして、その永い体験生活の間に、智識も、感情も、意思もつくりあげられるのであります。
(文字の強調は、IT寅さんによるものです)